3月28日、UAEメイダン競馬場で開催される世界最高峰のダート決戦「ドバイワールドカップデー」。しかし今年は、例年とはまったく違う緊張感が漂っている。米国・イスラエルによるイラン攻撃で中東情勢が一気に緊迫し、日本馬の遠征回避が続出。JRAは史上異例の「馬券発売見送り」を決断した。いったい現地で何が起きているのか、最新情報をまとめた。
事の発端|米・イスラエルのイラン攻撃が引き金に
2026年3月初旬、米国とイスラエルがイランへの攻撃を実施。これを受けて外務省はUAEを含む中東地域の危険情報レベルを「レベル2」から「レベル3(渡航中止勧告)」に引き上げた。スポーツ界でもサッカーACLEが中止になるなど、国際イベントへの影響が連鎖。日本の競馬陣営にも動揺が走った。
続出する遠征回避|主な回避馬と次走一覧
中東情勢の不透明さと輸送・安全確保の困難さを理由に、有力馬が次々とドバイを断念した。
- ウィルソンテソーロ(ドバイWC予定)→ 5月・かしわ記念(船橋)へ
- ディクテオン(ドバイWC予定)→ G1サラブレッドクラブが6日に発表、次走未定
- ミッキーファイト(ドバイWC予定)→ 5月・かしわ記念へ
- ダノンデサイル(ドバイシーマクラシック予定)→ 4月5日・大阪杯へ
- マスカレードボール(ドバイシーマクラシック予定)→ 大阪杯も回避、香港QE2世カップへ予備登録
- ジャンタルマンタル(ドバイターフ予定)→ 放牧、香港チャンピオンズマイルなど複数選択肢
- ウインカーネリアン(アルクォーツスプリント予定)→ 3月29日・高松宮記念へ
- ロードフォンス(ドバイゴールデンシャヒーン予定)→ 11日に回避を発表
有力馬が軒並みドバイを離れた結果として、4月の大阪杯やかしわ記念などの国内G1は「空前の豪華メンバー」が集う戦国模様になることが確実だ。
フォーエバーヤングはどうなる?現地で調整続行中
今年最大の注目馬、フォーエバーヤング(牡5、矢作芳人厩舎)の動向はどうか。同馬は2月のサウジカップを連覇し、そのままドバイへ移動。3月17日現在もメイダン近郊で調整を続けており、出走の意思は変わっていない。
昨年のドバイワールドカップで3着に沈んだ悔しさを胸に、BCクラシック制覇・サウジC連覇という輝かしい実績を引っ提げて世界頂点を狙う。矢作調教師は「現地スタッフと毎日連絡を取り合っている。生活圏や競馬場周辺で危険を感じたことはない」とコメントし、日本の報道と現地の温度差に困惑しながらも「やれることをやっていくだけ」とプロの姿勢を貫いている。
同厩舎のアメリカンステージ(牡4)もドバイゴールデンシャヒーンに向けて現地調整中。矢作厩舎が今年の日本勢の「最後の砦」となった形だ。関西馬5頭については、3月17日の国内最終追い切りを終え、18日に現地へ出発予定との情報も入っている。
馬券発売は「見送り」|JRAが史上異例の判断
JRAは3月6日、今年のドバイワールドカップデー全競走の馬券発売を行わないと正式に発表した。理由は「万全の発売体制が十分に担保できない」とし、農林水産大臣への発売認可申請自体を見送った。
ドバイWCデーは近年、日本でも馬券が発売されてきた人気レース。馬券なしでの観戦・応援という異例の状況にはなるが、フォーエバーヤングの雄姿はテレビ・インターネット中継で見届けることができる。
国内G1戦線への影響は絶大
ドバイ遠征を断念した強豪馬たちが国内に残留したことで、春のG1シーズンは歴史的なレベルの高さが見込まれる。4月5日の大阪杯はダノンデサイルが参戦し、例年以上の豪華メンバーが予想される。かしわ記念にはウィルソンテソーロ・ミッキーファイトがそろい踏みで激突する可能性もある。北海道・門別ファンにとっても、ドバイ帰りの有力馬がどのタイミングで地方路線に降りてくるか、ひそかに注目してほしいポイントだ。
まとめ|2026ドバイWC、注目ポイントを整理
- 📅 開催日: 2026年3月28日(土)深夜・メイダン競馬場
- 🇯🇵 出走予定の日本馬: フォーエバーヤング(ドバイWC)・アメリカンステージ(ゴールデンシャヒーン)ほか
- ❌ 回避確定: ウィルソンテソーロ・ダノンデサイル・ジャンタルマンタルなど多数
- 🎫 馬券発売: JRAは発売しない(史上異例の対応)
- 📺 観戦: テレビ・ネット中継で応援可能
人馬の安全を第一に、それでも世界の舞台に挑み続けるフォーエバーヤング。異例づくしの2026年ドバイWCから、目が離せない。


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