
TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の熱は、まだ冷めていません。2026年6月26日から28日の3日間、原作の舞台となった北海道・日高地方で初の公式聖地巡礼ツアーが実施され、全国から80人のファンが集まりました(北海道新聞デジタル報道)。主催は近畿日本ツーリスト札幌団体旅行支店、後援は日高信用金庫、協力は浦河町・新ひだか町・新冠町・日高町・北海道日高振興局という、まさに地域総出の企画です。
ツアーの見どころは、劇中の緊迫のセリシーンが撮影された「北海道市場」(新ひだか町)、ロイヤルファミリーが坂路を駆けた「JRA日高育成牧場」(浦河町)、そして通常は立ち入れない実際のロケ牧場への特別訪問。さらに元JRAジョッキー・勝浦正樹さんと週刊Gallop記者・和田稔夫さんによるトークショーも組まれ、演出の裏側を生で聞ける贅沢な内容でした。旅行代金は14万5,000円〜(2名1室時)。抽選制で募集期間は5月18日〜26日という短期決戦だったようです。
原作小説は「集英社・新潮社」ではなく、新潮文庫(新潮社刊)が正しい版元です。早見和真氏の同作は山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞を受賞した実力派エンタメ長編。ドラマを観てから読むと、栗須栄治たちの20年間がより重層的に感じられます。
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リアルな「ロイヤルファミリー」は競馬界にもいる

ドラマの虚構を超えたリアルがここにあります。社台グループでは毎年6〜7月、「社台・サンデー募集馬見学ツアー」が開催され、翌年デビューを目指す1歳馬たちを間近で見学できます。2026年度もすでに複数の牧場(追分ファーム、白老ファームなど)でツアーが実施されており、SNS上では出資希望者たちが体高や馬体重を熱心にメモする様子が多数投稿されています。一口出資は数百万円から、時に数千万円が動くロマンの世界。これこそ、フィクションを超えた「本物のロイヤルファミリー」の姿だと言えるでしょう。
一方で、隣接する優駿スタリオンステーションなど種牡馬見学は年度によって開催の有無や時期が変わるため、訪問前の事前確認が絶対条件です(2025年度は見学終了済みとの案内あり)。牧場は観光地ではありません。あくまで馬と生産者の生活の場に、部外者が「お邪魔させてもらう」感覚を忘れてはいけないと、現場を知る人間として率直に申し上げます。
DIY聖地巡礼、かめきち流ドライブルート
公式ツアーに当選できなかった方、日程が合わない方には自力での「DIY聖地巡礼」がおすすめです。新千歳空港から国道235号、通称サラブレッド街道を南下すれば、新冠町の「サラブレッド銀座」を経て新ひだか町・浦河町へ。道中には日高山脈を背景に牧草地が広がり、まるで劇中のオープニング映像そのものの景色が続きます。
立ち寄りたいスポットは、二十間道路(新ひだか町・劇中バスの実車が走った桜並木道)、道の駅サラブレッドロード新冠、そして門別競馬場。ここでは耕造が「東京の100倍うまい」と豪語した名物とねっこジンギスカン(要事前予約)が味わえます。門別競馬場は2026年度、4月15日開幕から11月12日までグランシャリオナイターとして開催中。日が長い夏の北海道で、ナイター競馬とご当地グルメを一緒に楽しむのは、出張の合間を狙う私の定番プランです。
長距離移動には、やはりレンタカーが安心です。
宿泊は浦河町「うらかわ優駿ビレッジAERU」や新ひだか町のホテルが公式ツアーでも利用されたエリア。早めの予約がおすすめです。
プロの目線:熱狂の裏にある「マナーの壁」
ここで一つ、懐疑的な視点を挟みます。牧場は観光地ではありません。ただの憧れだけで突撃すると、お互いに不幸になります。大声や急な動き、フラッシュ撮影、馬への接触や給餌は厳禁。公式ツアーでも「牧場見学のルール&マナー」が事前配布されるほど、ここは徹底管理された領域なのです。SNSでは「感動した」「行ってよかった」という声が目立つ一方、ドラマ本編についても「1話で1年進む構成に賛否」「最終回はもう少し丁寧に見たかった」といった率直な感想も見られます。熱狂と冷静な視点、両方を持って旅する人こそ、本当の「聖地巡礼者」だと私は思います。
北海道の大地は、ドラマが終わっても変わらずそこにあります。むしろ今がいちばん、静かに、そして熱く迎えてくれるタイミングなのかもしれません。

